大阪市城東区・京橋にある犬専用の幼稚園

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いぬの幼稚園バウバウ

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お知らせ

人と犬の出会いについて

犬はわれわれ人類と密接なつながりを持って生活をしています。
犬の学術名は
Canis familiarisで、日本語ではイエイヌと訳されています。
Canisがイヌ、familiarisがファミリーを指します。
つまり犬は人間の家族だと認定された生き物なのです。

犬はいつ頃から人と一緒に暮らすようになったのでしょう?
これには諸説あり、様々な論争がありました。
当初は人類が農作文化を始めた頃だろうと言われていました。




ここで人類の歴史について簡単に解説しておきます。われわれの祖先はアフリカで誕生したと言われていますが、4万5000年前には移動をはじめ、ヨーロッパやアジア各地に散らばっていきました。
動物を狩り、果物や貝などを採集して暮らしていました。
時には集団で協力しあってマンモスなどの大型獣の狩りも行っていたようです。
この時期の人類を狩猟採集民族と呼びます。
狩りや採集をしているとその土地には食料がなくなりますので、常に移動をつづけていたわけです。


時が経て今から1万2000年前に中東メソポタミアで原始的な農業が始まりました。
最初は洪水のあとの肥沃な土地に芽吹いた植物から食べられそうなものを収穫していただけですが、次第に種子を採集して地面にまき、芽吹いた穀物を収穫するようになっていきました。
それまでの狩猟採集民族と異なり、獲物を求めてさまよう必要がありません。
また収穫には半年から1年かかりますので、同じ土地に定住しなければなりません。
そうなれば家も建てるし、道具も増えていきます。食料調達の方法が変わっただけでなく,ライフスタイルが大きく転換されたのです。
これを農業革命と言います。
さらには動物をいちいち狩猟するのではなく、家畜として飼育して増やしました。
そこから肉を得て、副産物として乳や卵を食料とするようになったのです。
動物と人間の共生の始まりです。このような農業革命は西アジアや東アジアでも始まり、さらに北方にも拡がっていきました。
よく西洋人は狩猟民族で日本人は農耕民族だと言われますが、基本的に現代人は全て農耕民族です。
アフリカや極北の一部の種族が狩猟生活を続けているに過ぎません。


話を元に戻しましょう。
犬と人との出会いがいつ始まったかですが、これまでは農作文化の時代だと推測されていました。
他の動物を家畜化した時期に、犬も人間の家畜になったのだろうと考えられたのです。
最近になって
DNAを用いた研究が進歩したことで豚や鶏、羊が家畜化された時期がかなり正確に判明してきました。
ところが犬が家畜化された時期にはなんの手がかりも得られないままだったのです。
そこで犬と人類との出会いはもっと昔だったのではないかと推測されるようになりました。


どうやら犬は人類がまだマンモスを追いかけ、果物や貝を採集して食べていた時代にすでに一緒にいたようです。
その頃は現代のように愛玩目的ではなく、狩猟に用いたり、人間を襲う獣を追い払う番犬として飼われていたのでしょう。
人は犬の能力を利用して食料を調達し、犬は人の残飯をもらうことで飢えから解放されました。
その過程で人と共に移動をし、人の指示を聞き分け、人に危害を加えない能力を養っていきました。
これが野生の犬(オオカミ)から現在のイエイヌ
Canis familiarisへの進化なのだと考えられています。


人は犬を役立つ動物として迎え入れたわけですが、ただの道具のように扱ったわけではなさそうです。
現在のドイツで発掘された1万4000年前の遺跡からは、50歳代の男性と20歳代の女性、そして1匹の犬が埋葬されていたそうです。
この犬は外傷もなくきれいな身体のままであり、家族として同じ墓に埋葬されたのだろうと考古学者は考えています。
その後も人と犬の埋葬例は多数見つかりました。人類の葬儀にこれほど多く加わっている動物は他にはありません。


人と犬の出会いについては現在も研究が続けられており、これからも異論や反論が出てくる可能性があります。
だけれども太古の昔から犬は人と家族であったことだけは間違いなさそうです。

工藤将茂

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